火曜日, 11月 13 2018

火曜日, 11月 13 2018

気づきの日記「なんでっ?!のナゾ」

A美さんは、小さいお子さんがいらっしゃるお母さま。

ご相談内容は、「わが子に対して感情をおさえられず怒りまくってしまい、その後に罪悪感にさいなまれて苦しい」ということ。

可愛くなくて虐待してしまうということではなく、「ただただ、とっさに怒りがとめられなくなる」ということ。そして「子どもに申し訳なく感じて、自分を責める」「そんな子どもを救わなくちゃ!とあせる」というくりかえし。

「怒り」というのは、その場面で感じた「ほんとうの感情」を隠すためのいわゆる武器のような感情です。自分が弱いと感じていればいるほど、とっさに怒りという感情で武装して猛々しい強い自分のフリをすることで、それ以上攻めこまれるのを防いでいるわけです。

つまり、ヒリヒリするこころの傷を隠すためにバンドエイドはる。しかし、そのバンドエイドは両面トゲトゲ ・・・ みたいな感じ。この怒りというバンドエイドを使うと、相手も自分も傷つけることになります。

スポーツ界でもやたら怒鳴りつけたり、暴力をふるったりという、怒りダダ漏れの指導者さんたちがおられましたが、こういう方はいざとなる、急にかりてきたネコのようにチンマリしてしまうことも ・・・。

怒りダダ漏れの方は、自分のおもいどおりにならないことに対して無意識のうちに恐怖を感じているので、その動揺をなんとかしようと、怒りを使ってゴリ押しでものごとを自分が安心できる状態にコントロールしようとします。

ほんとうに強い人は強く見せるための武器(怒りや暴力)は必要としません。コワがっている人だけが、怒りまくって威嚇してしまいます。

だから、怒りまくっているということはコワがっている証拠なので、そういう怒りまくっている人をコワがる必要はないのですね。

そこで、A美さんの怒りの下に隠されている、ビビってる自分(ニセモノの自分です)を明らかにしようとしたのですが ・・・ 小さい頃からツライ感情をもてあまし、こころの底に抑圧してきたので、武器としてなじんできた怒り以外の感情は隠されていてあまり意識することができません。

ふつうは、怒りの感情からその下に隠された真の感情へと掘り下げてゆくことで、怒りの原因を探ることができます。

たとえば ・・・ 私は怒りたい → なぜなら、思うようにならなくて動揺しているので、強がりたい → 私はコワい →  どうにもならない無力感がある → コントロールしないと生きていけない → 怒りこそコントロールするための最強の武器!・・・というように、怒りの底辺にある本当の感情をあばいてゆくことができるのですが、A美さんは完全にブロックされています。

そして、A美さんいわく、怒っているときにはきまって、「なんでっ!?」という言葉だけがあるそうです。

「なんでっ?!」というナゾのセリフのみ・・・。そこには感情もなんの手がかりもありません。

「なんでっ?!」がなにをあらわしているのかをうかがっても、ただただ怒りの感情とともに「なんでっ!?」というセリフだけが出てくる、というのです。

「なんでっ?!」がなにを意味しているのか?

そんなこまったときには、ヒプノだのみ!

感情を抑圧している自我(エゴ)にちょっとおいとましていただいて、そのすきに本当の気持ちへと攻めいる、というのがヒプノセラピーのやり方です。リラックスして自我が無防備になるトランス状態になると、本当の気持ちにアクセスすることができます。

そこで、A美さんをヒプノ状態へと誘導してみると ・・・

いままでは突発的にあらわれる怒りの原因を調べようとすると、その下の感情はブロックされてなにひとつ感じることができなかったA美さんですが、いきなり涙を流しはじめたのです。それも、まるで幼いこどもが泣きじゃくるように。

私が「A美ちゃん、どうしたの?」と声をかけると、「お母さんがぜんぜん話しを聞いてくれない」「相手にしてくれない」「見捨てられているようで寂しかった。悲しかった」と幼い女の子として答えてくれました。

どうやら、まだちいさくて、いちばんお母さんになんでも聞いてもらって甘えたいときに、それがぜんぜん満たされていなかったようなのです。幼い子どもにとっては、こころのよりどころがない感じです。

ヒプノをするまえは、まるで感情を感じることができなかったA美さんですが、とつぜん幼いA美ちゃんが飛び出してきて、泣きながら悲しみをうったえているようでした。

そして、そこでわかったことは、A美さんのお母さんもA美さん同様、まったく話しをきいてもらうことなく寂しく育っていたということ。そして、いざ母になってA美さんの面倒をみようとしても、してもらったことがないことはできないし、まだこころは傷ついた幼児のままだったということです。傷ついた幼児には、子育てはなどできるはずがありません。

そしてA美さんも母になったわけですが、お母さんとまったく同じで、こころはまだ傷ついたおさないA美ちゃんが痛みをかかえたまま存在していて、「私は母にちゃんと話しをきいてもらっていない」「面倒をみてもらっていない」「愛されていない」と主張していたのでした。

つまり、A美さんのこどもに対する怒りとともに出てくるあのセリフ、「なんでっ?!」というのは ・・・

じつは、「なんでっ?! 私はちゃんと面倒をみてもらっていないのに、この子の面倒などみなくちゃいけないの?!」「なんでっ?!私がこの子のワガママ聞いてあげなくちゃいけないの? 私は聞いてもらったことないのに!」という「なんでっ?!」だったのです。

私たちは自分が持っているものしか人に与えることができないので、「まだまだぜんぜん足りていないのよ!」と叫んでいるA美さん(A美ちゃん)にとっては、たとえ自分のこどもといえども与える余裕などなく、ひたすら理不尽に感じていて、こころが悲鳴をあげていたのでした。

そんなときには、ただただ、「ああ、そうかそんなふうに感じていたんだね」と自分がこころのなかでしっかりと受けとめて、育てなおしをしてあげることができます。ただその不満に気づいて、受けとめて、「足りない!」と主張しているところを安心させてあげれば、その気持ちはおさまるのです(本当は、外から調達しなくちゃならないようなものはないので、足りないということはないのです)。

その不安だった子どもが安心感をえることさえできれば、「足りていない」という勘違いを正すことができます。そして、本来自分のなかにすでにある安心感につながりやすくなります。

イライラしたり怒り爆発してしまうとき、ついつい自分を責めてしまいますが、責めてしまうとさらに罪悪感の悪循環におちいります。ただ、「なにかが間違っている!」と主張している自分のこころにやさしく耳を傾けて、いったい何をうったえているのか聴いてあげることが大切です。

この無条件に「受けとめる」という態度こそが、私たち誰もがいちばん望んでいることであり、癒しのポイントなのです。

それにしっかりと答えてあげることこそが、理不尽な感情も、荒れ狂う思考も、静めてあげることができることがわかります。

自分のなかに泣いていて、まだ満たされていない子どもがいることに気がついたら、批判したり、無視したり、変えようとすることなく、ただ「そうだったんだね〜」と言って、やさしく抱きしめて安心させてあげましょう。気づいて、受けとめてもらうことで、その子は癒されるのです。

 

 

「気づきの日記」バックナンバーはこちら: 古川 貴子 ヒプノセラピーカウンセリング

 

18-11-13 なんでっ?!のナゾ

A美さんは、小さいお子さんがいらっしゃるお母さま。

ご相談内容は、「わが子に対して感情をおさえられず怒りまくってしまい、その後に罪悪感にさいなまれて苦しい」ということ。

可愛くなくて虐待してしまうということではなく、「ただただ、とっさに怒りがとめられなくなる」ということ。そして「子どもに申し訳なく感じて、自分を責める」「そんな子どもを救わなくちゃ!とあせる」というくりかえし。

「怒り」というのは、その場面で感じた「ほんとうの感情」を隠すためのいわゆる武器のような感情です。自分が弱いと感じていればいるほど、とっさに怒りという感情で武装して猛々しい強い自分のフリをすることで、それ以上攻めこまれるのを防いでいるわけです。

つまり、ヒリヒリするこころの傷を隠すためにバンドエイドはる。しかし、そのバンドエイドは両面トゲトゲ ・・・ みたいな感じ。この怒りというバンドエイドを使うと、相手も自分も傷つけることになります。

スポーツ界でもやたら怒鳴りつけたり、暴力をふるったりという、怒りダダ漏れの指導者さんたちがおられましたが、こういう方はいざとなる、急にかりてきたネコのようにチンマリしてしまうことも ・・・。

怒りダダ漏れの方は、自分のおもいどおりにならないことに対して無意識のうちに恐怖を感じているので、その動揺をなんとかしようと、怒りを使ってゴリ押しでものごとを自分が安心できる状態にコントロールしようとします。

ほんとうに強い人は強く見せるための武器(怒りや暴力)は必要としません。コワがっている人だけが、怒りまくって威嚇してしまいます。

だから、怒りまくっているということはコワがっている証拠なので、そういう怒りまくっている人をコワがる必要はないのですね。

そこで、A美さんの怒りの下に隠されている、ビビってる自分(ニセモノの自分です)を明らかにしようとしたのですが ・・・ 小さい頃からツライ感情をもてあまし、こころの底に抑圧してきたので、武器としてなじんできた怒り以外の感情は隠されていてあまり意識することができません。

ふつうは、怒りの感情からその下に隠された真の感情へと掘り下げてゆくことで、怒りの原因を探ることができます。

たとえば ・・・ 私は怒りたい → なぜなら、思うようにならなくて動揺しているので、強がりたい → 私はコワい → どうにもならない無力感がある → コントロールしないと生きていけない → 怒りこそコントロールするための最強の武器!・・・というように、怒りの底辺にある本当の感情をあばいてゆくことができるのですが、A美さんは完全にブロックされています。

そして、A美さんいわく、怒っているときにはきまって、「なんでっ!?」という言葉だけがあるそうです。

「なんでっ?!」というナゾのセリフのみ・・・。そこには感情もなんの手がかりもありません。

「なんでっ?!」がなにをあらわしているのかをうかがっても、ただただ怒りの感情とともに「なんでっ!?」というセリフだけが出てくる、というのです。

「なんでっ?!」がなにを意味しているのか?

そんなこまったときには、ヒプノだのみ!

感情を抑圧している自我(エゴ)にちょっとおいとましていただいて、そのすきに本当の気持ちへと攻めいる、というのがヒプノセラピーのやり方です。リラックスして自我が無防備になるトランス状態になると、本当の気持ちにアクセスすることができます。

そこで、A美さんをヒプノ状態へと誘導してみると ・・・

いままでは突発的にあらわれる怒りの原因を調べようとすると、その下の感情はブロックされてなにひとつ感じることができなかったA美さんですが、いきなり涙を流しはじめたのです。それも、まるで幼いこどもが泣きじゃくるように。

私が「A美ちゃん、どうしたの?」と声をかけると、「お母さんがぜんぜん話しを聞いてくれない」「相手にしてくれない」「見捨てられているようで寂しかった。悲しかった」と幼い女の子として答えてくれました。

どうやら、まだちいさくて、いちばんお母さんになんでも聞いてもらって甘えたいときに、それがぜんぜん満たされていなかったようなのです。幼い子どもにとっては、こころのよりどころがない感じです。

ヒプノをするまえは、まるで感情を感じることができなかったA美さんですが、とつぜん幼いA美ちゃんが飛び出してきて、泣きながら悲しみをうったえているようでした。

そして、そこでわかったことは、A美さんのお母さんもA美さん同様、まったく話しをきいてもらうことなく寂しく育っていたということ。そして、いざ母になってA美さんの面倒をみようとしても、してもらったことがないことはできないし、まだこころは傷ついた幼児のままだったということです。傷ついた幼児には、子育てはなどできるはずがありません。

そしてA美さんも母になったわけですが、お母さんとまったく同じで、こころはまだ傷ついたおさないA美ちゃんが痛みをかかえたまま存在していて、「私は母にちゃんと話しをきいてもらっていない」「面倒をみてもらっていない」「愛されていない」と主張していたのでした。

つまり、A美さんのこどもに対する怒りとともに出てくるあのセリフ、「なんでっ?!」というのは ・・・

じつは、「なんでっ?! 私はちゃんと面倒をみてもらっていないのに、この子の面倒などみなくちゃいけないの?!」「なんでっ?!私がこの子のワガママ聞いてあげなくちゃいけないの? 私は聞いてもらったことないのに!」という「なんでっ?!」だったのです。

私たちは自分が持っているものしか人に与えることができないので、「まだまだぜんぜん足りていないのよ!」と叫んでいるA美さん(A美ちゃん)にとっては、たとえ自分のこどもといえども与える余裕などなく、ひたすら理不尽に感じていて、こころが悲鳴をあげていたのでした。

そんなときには、ただただ、「ああ、そうかそんなふうに感じていたんだね」と自分がこころのなかでしっかりと受けとめて、育てなおしをしてあげることができます。ただその不満に気づいて、受けとめて、「足りない!」と主張しているところを安心させてあげれば、その気持ちはおさまるのです(本当は、外から調達しなくちゃならないようなものはないので、足りないということはないのです)。

その不安だった子どもが安心感をえることさえできれば、「足りていない」という勘違いを正すことができます。そして、本来自分のなかにすでにある安心感につながりやすくなります。

イライラしたり怒り爆発してしまうとき、ついつい自分を責めてしまいますが、責めてしまうとさらに罪悪感の悪循環におちいります。ただ、「なにかが間違っている!」と主張している自分のこころにやさしく耳を傾けて、いったい何をうったえているのか聴いてあげることが大切です。

この無条件に「受けとめる」という態度こそが、私たち誰もがいちばん望んでいることであり、癒しのポイントなのです。

それにしっかりと答えてあげることこそが、理不尽な感情も、荒れ狂う思考も、静めてあげることができることがわかります。

自分のなかに泣いていて、まだ満たされていない子どもがいることに気がついたら、批判したり、無視したり、変えようとすることなく、ただ「そうだったんだね〜」と言って、やさしく抱きしめて安心させてあげましょう。気づいて、受けとめてもらうことで、その子は癒されるのです。

 

 

「気づきの日記」バックナンバーはこちら: 古川 貴子 ヒプノセラピーカウンセリング