お茶の間シネマトーク | 心がほぐれる「しあわせのパン」

今日は、心がじんわりほぐれる映画をご紹介します。
その名も『しあわせのパン』。
観終わったあと、ふうっと深呼吸して、美味しいパンと淹れたてのコーヒーをゆっくり味わいたくなる……そんな作品です。

スクリーンに登場する数々の焼き立てパンたち。
栗のパンも、マメのパンも、ドライフルーツを使ったクグロフも、お味が伝わってきます。
パン好きの私には、香ばしい匂いが画面越しにただよってくるようで、思わずお腹が鳴ってしまいました(笑)。
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物語は、「月とマーニ」という絵本が好きだったりえさん(原田知世さん)が、
水縞くん(大泉洋さん)と出会い、北海道の湖のほとりに、小さなカフェを開くところから始まります。

水縞くんはパンを焼き、りえさんはコーヒーを淹れ、季節の素材で丁寧にお料理を作る。
大きな窓からは、満ち欠けする月や、四季折々の景色が見えます。
まさに、絵本好きのりえさんらしい、お話のなかに登場しそうなメルヘンチックな雰囲気のカフェ。
カフェには、コーヒーやパンを楽しむ地元の常連さんや郵便屋さんたち。
そこに流れているのは、静かで穏やかな時間、優しい人間関係。
そして、2階にある小さな宿泊施設には、人生に少しだけ迷子になった人たちが、ふらりと訪れます。
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何気なく観はじめた映画だったけれど、
りえさんと水縞くんの、寄り添いすぎず、でもちゃんと温かくいたわりあう夫婦の距離感。
そして、訪れる人たちをまるごと受け入れるような優しさに、
すっかり心が癒されて、涙がほろり。

「人って、言葉にしなくても、ちゃんとわかりあえることがあるんだな」
そんな気づきが、じんわりと胸に広がりました。
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映画を観ていると、自分も誰かに、あんなふうに優しい場所を提供できたらいいなぁ、なんて思ったり。
そしてまた、自分がちょっと疲れたときには、ああいう場所にふらっと立ち寄れたらな、と。
あなたにも、心の中にそんな場所がありますか?
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【まとめ】
・『しあわせのパン』は、心にしみる優しい映画
・美味しいパンとコーヒー、そして人とのあたたかなつながりがテーマ
・観るだけで、自分の内側に小さな優しさが芽生える作品です
(「お茶の間シネマトーク」バックナンバーはこちら: 古川 貴子 / ヒプノセラピー・カウンセリング・リコネクション)